真剣で熱心なあなたに、「良い労務士」とはどんな労務士なのか、労務士選びのコツを教えます。
「良い労務士」とは、どんな労務士なのでしょうか? 報酬が安い労務士ですか?
報酬だけで判断するなら、簡単です。できるだけたくさんの労務士から見積書をとれば良いのですから・・・
ところで、あなたは何を労務士に依頼するのですか?
そして、依頼理由は明確になってますか?
理由は色々あると思いますが・・・
まず、「顧問報酬でどこまでやってくれますか?」と大まかに質問してみて下さい。
次に、「例えば、人を採用するときは、どんなアドバイスと手続きをしてくれますか?」と尋ねてみて下さい。というのは、労務士によって仕事の中身が全く違うからです。
70歳の個人経営の社長さんが、廃業か、存続かで悩んで相談にいらっしやいました。
(個人事業主ですが、社長と表記させて頂きます。)
その町工場は、60代後半の従業員4人で社会保険に任意加入していたので、私は驚愕しました。なぜなら、従業員5人未満の個人事業主には、社会保険加入の義務がないからです。
つまり、社会保険を脱退すれば、従業員は老齢厚生年金を減額されることなく、満額の年金を受け取りながら働き続けることができたのです。もし、5年前に脱退していれば、従業員4人で少なくても2,000万円位の年金を受給できたはずです。
そして、社長さんも約700万円(5年間)の社会保険料を余分に払わなくて済み、高年齢継続給付を活用して賃金を見直しすれば、5年間で2,000万円近い人件費の節約ができていたでしょう。
社長さんは、ある労務士と契約していて、事務はきちっと処理されておりました。ただ、その労務士は、「顧問先にとって何が得になるのか?」を考えてアドバイスしいなかったのです。
残念ながら、時すでに遅し!
社長さんがどれだけ損をしていたかは、お気の毒でお話しできませんでした。数日後、社長さんは廃業を決断されました。
変化の激しい時代、専門家の知恵を借りないで諸問題を解決するのは、難しくなっています。
問題解決のアドバイスを受けるための「良い労務士」を選ぶときは、次の質問をしてみて下さい。
※「適格退職年金の移行」を例に説明させて頂きます。
解決すべき問題が明確になっているのなら、実績を質問してみて下さい。
喜んでそのノウハウを話し始めるでしょう。
実績がない若手労務士には、書籍購入費等を尋ねて、研究熱心かどうかを確認しましょう。労務士は法律知識と労務管理のノウハウを売っております。月に少なくとも3~4冊は読まなければ研究熱心とは言えないでしょう。
専門家である労務士が、従業員に直接説明をすればスムーズに解決できる問題はかなりあります。(労働争議にまでこじれた場合は介入できないことになってます。)
困った問題に直面して従業員に話さなければならないとき、あなたの横に専門家である労務士がドンと座っていれば、どれだけ頼りになるか想像してみてください。
経営者は基本的に孤独です。人事労務の面では、社員と相談するわけにもいきません。そこで、「相談相手としての労務士選び」のコツですが…
気軽に相談してみましょう。顧問契約が前提であれば、初回は相談無料の事務所が多いようです。
「相談相手としての労務士選び」の最大のポイントは、聞き上手かどうかです。
加えて、難しい専門用語を使わない労務士が良いと思います。わかりやすい言葉で説明できないことは、本当に理解しているとは言えないからです
労務士の役割は、「労務管理の面から、企業の永続的な発展と従業員の幸福に貢献すること。」だと思います。「労務士はこうでなければならない!」との思いで書きました。
ここまで読んでいただいた方に感謝いたします。
良い労務士が見つかりますよう、お祈りいたします。